若月圭太のアニメ映画感想ブログ

劇場版アニメ・アニメーション映画の感想を中心としたブログ

C.Cの圧倒的母性「コードギアス 復活のルルーシュ」感想

 コードギアスはルルーシュという圧倒的に魅力的なキャラクターがその人気を牽引してきたシリーズだ。今回もその魅力は健在である。だが今回はそれ以上に.がその魅力を発揮していた。

 本記事については、過去のテレビシリーズおよび総集編映画についての重要なネタバレが含まれる。また、映画本編のストーリーの詳細についてのネタバレは避けるつもりではあるが、重要な事項の決着の示唆および細かい部分でのネタバレはあるのでご注意願いたい。

保護者C.

  物語の序盤、C.Cとルルーシュが旅をしている場面が続く。ルルーシュは生きてはいるが目からは意思の光が失われ魂が抜けたような状態である。驚いたことにそんなルルーシュをテレビアニメではルルーシュの部屋でだらけてピザ食ってるだけだった.Cが献身的に世話をしている。大量の荷物を一人で背負い、高いところから落ちかかるルルーシュを支え、手の込んだ料理を準備する姿はまるで母親のようでもある。

 テレビアニメが放映されていたゼロ年後半は涼宮ハルヒや戦場ヶ原ひたぎといったエキセントリックな言動のヒロインが人気を集めていた時期であり.もその流れに沿ったヒロインであったが、本作では現在のトレンドである母性キャラにクラスチェンジしており、十年以上の時の流れを感じずにはいられない。

 いずれにせよ、この一連のシーンを見たものは.が報われることを願わずにはいられなくなる良いシーンだった。 

敵は主人公

 今回の敵はギアス能力者かつ一国の君主である。ギアス能力についての説明は避けるが、最近のヒット作の主人公が持つ能力とほぼ同一の能力であり、なおかつ権力を持つ人物が行使すれば一般人のそれに比べて効果が激増するタイプの能力である。

 そういった最終的な勝利が約束された敵の能力の正体をルルーシュがいかにして看破し打ち破るかが後半部分の見どころとなる。起きている状況から敵の能力をしぼりこみ、最後はハッタリで相手にチェックメイトをかけるいつものルルーシュ節は健在だ。

お祭り作品ではあるけれど

 ここまでは本作の良いところを中心に述べてきたが、不満なところがないわけではない。本作では総集編映画で生き残った登場人物の大半が出演しているが、どうしても冷遇されているキャラが出てきてしまう。

 特にアシュフォード学園組は今回も蚊帳の外に置かれており、ナナリーは終盤まで囚われの姫状態、スバルも中盤まで拘束され、後半もいまいち精細を欠く印象があった。物語の終盤でナナリーについてルルーシュが言及しているシーンがあるが、今回の展開であのセリフはやや説得力に欠ける印象がある。学園組にはある程度事情を知っているシャーリーがいるのだから、学園組を救出対象にしてナナリー、スザクを救出チームに序盤から入れてナナリーをある程度活躍させたほうが良かったように思う。

 ナイトメアのシーンについてもアクションシーンそのものは悪くないのだが、スザクとカレンはもう少し無双して欲しかったところ。ピンチからの逆転シーンが前述のギアス対決の決着後なので、ワンピースに例えるとルフィがボスを倒したあとにゾロとサンジが幹部を倒すようなやや締まりに欠ける展開になってしまっている。

時代にあわせ変化するコードギアスを楽しもう

 テレビアニメ放映時のコードギアスはしばしばデスノートとの類似点が指摘されるなど、その時代のヒット作の要素を柔軟に取り入れていた。本作でも大本の部分は変わらないながらも近年のトレンドを取り入れた良質なエンタメ作品に仕上がっている。

 コードギアスについては今後も作品が作られる予定であることが関係者から発表されている。今の時代をとらえた新たなコードギアスの誕生を今は楽しみに待ちたいと思う。

 

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